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■ハーブ・セージの魅力
地中海北岸地方原産のシソ科の多年生薬草のハーブ「セージ」。
ラテン語で救うという意味のsalvareを語源に持つほど薬効に富み、古くから多くの人を救ってきたハーブとして知られています。
また、ドイツのある薬草家は「セージは、医者、料理人にも、台所、地下室の場所も、貧富も問わず役立つハーブである」と記しているほど様々な活用法をもっています。
そんなセージの魅力についてお話ししたいと思います。
■セージの効能
セージには、頭痛や精神的緊張、殺菌、消化促進、浄血・・・歯茎の強壮、白髪の改善など本当に様々な効能を持っています。
どれも効能が高いのですが、有名なのは殺菌力ではないでしょうか。
そのため、うがい薬としてのどの炎症に用いられたり、歯磨き粉が出来る前は、セージの葉を噛んだり、歯や歯茎をこすって歯を清めていたそうです。
その他にも、世界中で行われているセージを使った健康法を幾つか紹介したいと思います。
●ジャマイカ
セージとライムで作ったアイスティーは、風邪をひいた時の熱さましに飲まれます。
●フランス
ワインにセージの葉を浸したものは、お産を控えた女性の体力づけに飲まれます。
●イタリア
健康維持の最良の方法として、パンの上にセージの葉を乗せて食べる。
●そのほかの活用法
・ぜんそくの時に、乾燥した葉をパイプにつめて吸う
・病気の感染を防ぐために、ハーブを床などに敷いたり置いたりする(ストローイングハーブ)
・感染症の予防にセージビネガーを料理に使ったり、部屋にスプレーする
この他にも世界中ではたくさんの使い方をされています。
「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」「庭にセージを植えている家に、死人はでない」ということわざがあるほど薬用に富んだセージ・・・ぜひ活用してほしいハーブです。
●セージの主な効能
抗菌作用・抗真菌作用・抗ウイルス作用・収斂作用・発汗作用・母乳抑制作用
■セージを育ててみよう!
セージは寒さや病害虫にも強いので、とても育てやすいハーブです。
最近では「チェリーセージ」や「ラベンダーセージ」など園芸種も多くなってきているので、ハーブとして利用したい場合は、品種をよく確認して購入する必要があります。
セージは品種ごとに赤やピンク、オレンジに白色など様々な色の花を咲かせる物が揃っているので、「セージガーデン」などを作ってみても色とりどりの華やかな庭ができ楽しめます。
●セージの種類
セージは園芸種を入れれば、かなりの種類があります。
ですが、セージと言えば薬効が最も高い「コモンセージ」を指します。
コモンセージは料理やハーブ薬、リンスや化粧水などの美容や掃除などその使い方は様々です。
同じように料理やハーブティーなどに使える物にはマスカットに似た香りの「クラリセージ」。
園芸種としても人気の「トリカラーセージ」。
白い花がエレガントな雰囲気を作ってくれる「ホワイトセージ」。
パイナップルの香りが人気で、サラダやお菓子作りに使える「パイナップルセージ」。
料理にはコモンセージよりふさわしいと言われる「スパニッシュセージ」などがあります。
香りや花の色などお好みの物を選んでみましょう。
●セージの育て方
セージは、乾燥した水はけの良い、日当たりの良い場所を好みます。
寒すぎたり、多湿な場所を除けばどんな場所でも栽培できる育てやすいハーブです。
ですが、4~5年経つと株が消耗してくるので、株分けをするか、植え替えをして場所を変える必要があります。
それまでは、蒸れに注意して育ててください。
また、花は植えた翌年から咲きはじめますが、前年に葉を摂り過ぎると、花が咲かなくなるので摂り過ぎには注意しましょう。
花が開いたら間引くように株ごと収穫して、風通しをよくすると元気に育ちます。
また、鉢植えの場合や雨が降らない時などは、水切れには注意してください。
●セージの増やし方
セージを増やす時は、挿し木で簡単に増やすことができます。
挿し木の時期は9~10月、または5~6月に行います。新芽を10~15cmに切り、下の5cmくらいの葉を落とし水に30分ぐらい浸します。
この時、枝の下の部分をハサミで斜めに切っておくと良いでしょう。
その後、鉢に植えてください。定植するまでは、直鎖日光の当たらない半日蔭で管理してあげましょう。
また、株元にひょろっとした枝がある場合は、枝の真ん中あたりを移したい鉢の土の中に埋め固定します。
すると土に触れた部分から新芽が出てきますので、親株から切り離し定植させる取り木でも増やすことができます。
●セージの剪定
セージは、とても丈夫で大株に成長します。
そのため、茂り過ぎた枝は、収穫を兼ねて切り取るようにします。
花が咲き終わった後は、枝を整えるぐらいの軽い剪定をしてあげましょう。
秋も終わりになると地上部は枯れてきます。
ですが、地中では根元が来年に向け準備を整えているので、下の葉を残し、少し深めに刈り取ってあげます。
そうすることで、春先にまた青々とした葉を茂らせてくれます。
梅雨時や開花時期になると根元が蒸れてきます。セージは多湿を嫌いますので風通しだけは注意してあげましょう。
■様々なセージの活用法
セージの活用法は、あげればきりがないほど多く、その効能を知れば様々なレシピを自分で編み出せるほどです。今回は、比較的簡単な方法を幾つかご紹介したいと思います。
慣れたら自分で使い方を考えるのも良いかもしれませんね。
●セージリンス
セージリンスは髪を保湿することから、古くからヨーロッパで使われてきた歴史があります。
そのさわやかな芳香が心に活力も与えてくれる自然なリンスです。
① ボールに乾燥させたセージの葉5~10gを入れ、熱湯100ccを加えます
② ガーゼなどで濾して保存瓶に入れましょう。
※ 保存期間は1~2日です。また、保存は冷蔵庫で行ってください。
※ スプレーボトルに入れて、寝ぐせ直しとしても活用できます。その時は少量のグリセリ
ンを入れても良いでしょう。
●セージバター
セージは昔から、肉や魚などの臭みけしとして使われてきました。
バターを常温で柔らかくしたらフレッシュセージを混ぜ込み、形を整えます。
魚を焼くときや、ソースを作る時、パンを焼いたときなどに使ってみましょう。
爽やかなソースや味になります。
残ったバターは、一回ごとにまとめ冷凍しておくと長期保存が可能です。
●セージの天ぷら
古代ギリシャでは、ご馳走とされたセージの天ぷらです。
普段使う天ぷら粉に新鮮なセージの葉を浸し、さっと揚げてください。
天つゆではなく、塩を軽くつけて食べるとより美味しくいただけます。
口臭予防や消化促進作用も期待できます。
■アロマオイル
セージのアロマオイルには、「コモンセージ」と「クラリセージ」があります。
同じセージの仲間ですが、香りも効能も違います。使う時は、よく確認して使うようにしましょう。
●コモンセージ
シャープで強い香りを持っています。
鎮静作用があるので、心を落ち着かせる働きがありストレスなどにも効果的です。
また、集中力を高めたい時に芳香浴をしてあげるのも良いでしょう。
ホルモン様作用があるので、生理不順や更年期障害などにも役立つほか、収斂作用により毛穴の引き締めなどを目的にフェイシャルオイルや化粧水としても有効です。
ただし、作用も強く刺激もあるので使用する量には十分注意し、妊娠中などには使用しないようにしてください。
●クラリセージ
甘い香りが人気のアロマオイルです。
主に女性ホルモンに似た作用を持つことから更年期障害や月経前症候群(生理前の様々な不調)に効果的です。
鎮痛作用もありますので、頭痛や肩こりなどにマッサージオイルとして使ってみてもよいでしょう。
皮脂バランスを調整する作用があるため、化粧水を作る時にブレンドするにも人気のアロマオイルです。
脂性肌の方やフケで悩んでいる方の頭皮にもおすすめです。
コモンセージ同様、妊娠中の使用は控えるようにしてください。
■さいごに
いかがでしたか?セージは、料理やお菓子、掃除に美容、そしてハーブ薬としてあなたの生活に役立つこと間違いなしのハーブです。
庭に植え、育て、ぜひたくさんの活用法を試してみてください。
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