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■ハーブ・レモンバーム
地中海沿岸原産のシソ科のレモンバームは、葉をこすると強い爽やかなレモンの香りがすることから、その香りを好む人が多いハーブです。 また、レモンバームのMelissa「メリッサ」という属名はラテン語で「蜂蜜」という意味があります。 これは、レモンバームの花には蜜蜂がよく集まり、それを利用して古代ギリシャでは蜂蜜をとる蜜源植物して大切にされてきたことからつけられたと言われています。 香りがよく、料理やハーブティー、ポプリとしても利用できるとして蜜蜂も大好きなレモンバームをご紹介したいと思います。
■レモンバームの効能
レモンバームは、古代ギリシャ時代から重要なハーブとして、ワインなどのお酒に漬けこんで薬として使用された記録が残っています。 主な使い方は、興奮した状態を落ち着かせるなど精神を安定さたり、風邪の時に解熱薬としても使われていたようです。 その他にも、疲労の回復や消化を助け、食欲を増進する働きもあることから胃腸が弱まった時にも効果を発揮します。 また、内用薬としてだけでなく外用薬として肌をなめらかにするなど入浴剤や化粧水としても使用できる優れた効能をもっています。
●レモンバームの主な効能
鎮静作用、鎮痙作用、抗菌作用、抗ウイルス作用
●レモンバームのアロマオイル(精油)「メリッサ」の効能
レモンバームの葉に含まれる精油の量が少なく、アロマオイル(精油)を作るのにかなりの量の葉を必要とすることからレモンバームのアロマオイル(精油)「メリッサ」はとても高額になります。 ですが、その香りは素晴らしく、また少量でも優れた効果を発揮することからぜひおすすめしたいアロマオイル(精油)の1つです。 ハーブと同じようにメリッサには、落ち込んでいる時など精神的に弱まった時に芳香浴をすることで心を落ち着かせ感情のバランスを整える働きがあります。 ストレスからくる不眠のも効果的なアロマオイル(精油)です。 また、子宮を強壮する効能もあるので生理前症候群などにも効果的です。
■レモンバームを育ててみよう!
レモンバームは、全草にさわやなかレモンによく似た香りがあり、ミントにもよく似ています。 交雑しやすいのでミントの近くには植えないほうがいいなど注意点はありますが、非常に育てやすいハーブになります。 生の葉は料理の風味づけやサラダ、ドリンク、お菓子にも使えるので庭に育てておくととても重宝するハーブになります。
●レモンバームの種類
ハーブとして有名な「レモンバーム」の他に「ゴールデンレモンバーム」というハーブがありますが、このハーブは園芸種として出回っていることが多いものになります。 「レモンバーム」は明るい緑の葉が特徴ですが、「ゴールデンレモンバーム」は美しい黄色い葉を持っているので半日蔭などに植えて上げると暗くなりがちな日陰の庭がぱっと明るくなるのでアクセントにおすすめのハーブです。 ハーブティーにすると優しい香りと味が楽しめるので「レモンバーム」と一緒に育ててみるのも楽しいかもしれません。
●レモンバームの育て方
レモンバームは日当たりのよい、やや湿った肥沃な土壌を好みます。 生育も早く、寒さや暑さにも強く丈夫で育てやすいハーブです。 ただ、夏の強い日差しを浴びると葉が茶色くなったり、固くなるので夏は半日蔭で管理してあげるとより上手に育てることができます。 夏の乾燥のしすぎや水のやり過ぎにも注意しましょう。 鉢植えの場合は、日差し以外に葉が黄色くなってきたら肥料が足らない場合があるので、追肥をしてあげると元気になることがあります。 その際は、収穫を兼ねて刈り込んだ後に追肥をしてあげると、新芽が元気に出てくるので挑戦してみてください。 また、刈り取る時は脇芽を残して収穫するようにしましょう。
●レモンバームの増やし方
レモンバームは、種まき、挿し木、株分けと色々な方法で簡単に増やすことができます。 種まきをする時は、種がとても小さいので古いはがきなどを利用して条まきしてあげると良いでしょう。 種をまいた後は薄く土をかぶせて乾燥させないように管理します。 2週間ぐらいで発芽しますので間引きを行い、植えてあげてください。 挿し木も簡単で、若い葉を選んで5~6cmほどに切り、土に挿すとすぎに発根してくれます。 株分けは、根を傷つけないように半分にして植えてあげます。 ただ、レモンバームはとても繁殖力が強く、葉が多く茂るので、十分な場所を確保して植えてください。 種まきは4月上旬から5月下旬。 挿し木は5月から6月、株分けは3月から4月、9月から10月の2回行うことができます。
●レモンバームの収穫と剪定
レモンバームの葉が茂って来たらやわらない葉を茎先ごとハサミで切り取り収穫します。 花が咲くと葉や茎が固くなるので、開花直前に収穫を兼ねて株の上部1/3ほど刈り取ると、その後次々と新芽が出てきてやわらかい葉を収穫することができます。 また、レモンバームは蒸れを嫌いますので、梅雨の多湿期は、株の蒸れを防ぐために込み合った枝葉を剪定し、風通しをよくしてください。 ほっておくと背丈が伸びすぎたり、ハダニなどが発生してしまいます。こまめに収穫をしてあげましょう。
■様々なレモンバームの使い方
その優れた効能と香りで、料理の風味づけやドリンク、お菓子に美容、ハーブ薬とその使い方は多岐にわたります。 今回はそんな使い勝手の良いレモンバームの簡単な使い方をいくつ紹介したいと思います。
●バジルバームハニー(保存期間2週間)
フレッシュのレモンバームを瓶にいっぱいに詰め込み、はちみつを注ぎ入れ2週間熟成させましょう。 熟成後はレモンバームを取り出し、スコーンやホットケーキにかけたり、喉の不調を感じたり、ストレスを感じる時にそのままスプーン1杯をなめるのも良いでしょう。 レモンバームの香りがほのかにうつったハニーは、ほっとさせてくれる味わいです。
●レモンバームワイン
レモンバームワインには消化を助ける働きがあるので、食前酒として飲むにも適しています。 また、精神を安定させ、安眠効果もあるので寝る前にもおすすめです。
[ 作り方 ]
水気をとったレモンバームを瓶いっぱいに詰め込み、甘口のワインを注いでください。 その後、半日から1日しっかり密封して保存してください。 なるべく、その日か次の日には飲み切る分量で作りましょう。
●レモンバームドレッシング
[ 材 料 ]
玉ねぎ小 1/4 白ワインビネガー 大さじ2 オリーブオイル 大さじ4 フレッシュレモンバーム 15枚 塩 小さじ1/2 こしょう 適量 砂糖 ひとつまみ
[ 作り方 ]
① 玉ねぎは、ざく切りにしてお皿にならべてしばらく空気にふれさせる ② レモンバームは軽く、水洗いをして水気をきっておく ( ハーブは午前中に収穫し、バットの上などに並べ乾かしておきましょう ) ③ ミキサーにオリーブオイル以外の材料をすべていれ、撹拌する ④ 最後にオリーブオイルを入れ、さらに撹拌する レモンバームドレッシングは冷製パスタやサラダ、アボガドなどにかけても美味しく食べられます。 お好みでレモンやグレープフルーツなどを加えてみても楽しめます。
■さいごに
いかがでしたか?レモンバームは、乾燥させるとすぐに香りが飛んでしまうので、自宅で収穫したレモンバームはなるべくフレッシュで使ってあげてください。 たくさん葉を収穫できるようになるのでお風呂に入れたり、毎朝ハーブティーとして飲むなど毎日生活に摂り入れてみてはいかがでしょうか?
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